間欠性外斜視に対する治療介入(コクラン・システマティックレビュー)
Interventions for intermittent exotropia. Cochrane Database Syst Rev 2021
本ページは、斜視に関する学術論文の紹介です。
Pang Y, Gnanaraj L, Gayleard J、ほか/The Cochrane database of systematic reviews/2021年/PMID 34516656/DOI 10.1002/14651858.CD003737.pub4
要約

原文の要旨に書かれている範囲で、論文が述べている内容を独自の言葉でまとめたものです(原文の翻訳ではありません)。
目的
間欠性外斜視(ときどき目が外側にずれる斜視)に対する手術・手術以外の治療の効果を、ランダム化比較試験に限って集めて分析し、治療を行う基準や、年齢・型によって効果が異なるかを調べることを目的としたレビューです。著者は、治療の適応・最も効果的な治療・最適な時期については依然として明確でないと述べています。
方法
2021年1月20日までの複数の文献データベースと試験登録を検索し、間欠性外斜視に対するあらゆる治療を比べたランダム化比較試験を対象に、コクランの標準的な方法で分析したと述べています。
結果
6本(米国4本、トルコ・インド各1本。合計890人で、多くは12か月〜10歳の子ども)が含まれ、参加者や治療者に治療内容を伏せることができないため、実施上の偏りのリスクは高かったとしています。アイパッチ(片目を覆う治療)と積極的経過観察を比べた2本(249人と252人)の統合では、6か月時点の目のずれの指標が近くを見るときで平均差−2.23(95%信頼区間−4.02〜−0.44)、遠くを見るときで−2.00(−3.40〜−0.61)とアイパッチのほうが改善し(根拠の確実性は高い)、近くを見るときの立体視には差がほとんどなかったと報告しています(確実性は低い)。両眼の外直筋後転と片眼の外直筋後転+内直筋短縮の比較では、目のずれに差はほとんどないとみられ(確実性は中程度)、その他の手術法どうしの比較は確実性が低いまたは非常に低いとしています。
結論
著者は、12か月〜10歳の基礎型・遠見型の間欠性外斜視の子どもでは、アイパッチは積極的経過観察と比べて臨床的な利益をもたらすと述べています。一方、手術法どうしの比較や、手術前にプリズム順応検査を行うかどうかについては、利益があるかを判断するだけの根拠が足りないとしています。
注記(この研究の限界)
対象の多くは12か月〜10歳の子どもで、大人にそのまま当てはまるとは限りません。海外(米国・トルコ・インド)で行われた試験をまとめたもので、治療の進め方は日本の保険診療とは異なる場合があります。アイパッチの結果は2本の試験の統合であり、有害事象や生活の質については報告されていなかったと著者は述べています。
用語の説明
- ランダム化比較試験
- 参加者をくじ引きのように無作為に分けて治療を比べる研究方法で、比較の偏りを減らすことを目的としています。
- 積極的経過観察
- すぐに治療を始めず、定期的に検査をしながら経過を見る方針のことです。
- 根拠の確実性
- まとめた結果がどれくらい信頼できるかを「高い・中程度・低い・非常に低い」の段階で示す評価のことです。
読むときの注意
このページは論文の内容を紹介するもので、研究の良し悪しを評価したものではありません。数字や結果は原文の要旨に書かれた範囲で紹介しており、個別の症状の診断や治療の判断は、診察を担当する医師にご相談ください。正確な内容は原文(PubMed/出版社ページ)でご確認ください。