斜視手術のあとに再手術を受けた人の割合(1年・3年・5年後)
Strabismus and Strabismus Surgery Reoperation Rates at 1, 3, and 5 Years: Analyses from the IRIS® Registry (Intelligent Research in Sight). Ophthalmology 2026
本ページは、斜視に関する学術論文の紹介です。
Repka MX, Lum F, Li C、ほか/Ophthalmology/2026年/PMID 40907579/DOI 10.1016/j.ophtha.2025.08.028
要約

原文の要旨に書かれている範囲で、論文が述べている内容を独自の言葉でまとめたものです(原文の翻訳ではありません)。
目的
米国の子どもと大人について、斜視手術のあとに再手術を受けた人の割合と、再手術に関連する要因を記述することを目的とした研究です。
方法
米国の眼科診療登録データベース(IRISレジストリ、79,424,597人分)を用い、2013年から2022年の斜視・斜視手術・再手術を記述し、2013〜2017年に行われた手術について1年・3年・5年以内の再手術率を計算しました。1年以内の再手術に関連する要因は、複数の要因を同時に考慮する統計モデルで解析したと述べています。
結果
1,951,001人(2.46%)に斜視の診断があり(男性2.68%・女性2.29%)、内訳は内斜視17.8%・外斜視21.8%・上斜視13.5%・麻痺性斜視16.1%でした。少なくとも1回の手術を受けた人は125,984人で、79%が水平方向の手術、58%が20歳未満だったとしています。再手術率は1年5.61%(95%信頼区間5.43〜5.81)、3年8.53%(8.30〜8.76)、5年10.13%(9.88〜10.38)で、どの時点でも6〜19歳の子どもが最も低かったと報告しています。統計モデルでは、人種・保険の種類・米国内の地域によって、1年以内に再手術を受ける確率に差がみられたとしています。
結論
著者は、再手術の確率が人種・保険・地域で有意に異なり、その理由の解明は今後の課題だと述べています。また、追跡が長くなるほど再手術率がどの年代でも上がることから、すべての年代で継続的な斜視の診療が必要になることを示唆し、これらの数値は手術の研修・医師の成績の測定・患者への説明・リスク調整の道具づくりの基準として役立ちうるとしています。
注記(この研究の限界)
米国の医療保険制度を前提とした集計で、日本の数値ではありません(日本の保険診療とは異なる場合があります)。この割合は特定の施設や術者の成績を示すものではありません。再手術の理由(病状の変化によるものか、手術の結果によるものか)は要旨には書かれておらず、再手術率の高低が治療の質を示すものでもありません。
用語の説明
- 再手術率
- 一度斜視手術を受けた人のうち、一定期間内にもう一度手術を受けた人の割合のことです。
- 麻痺性斜視
- 目を動かす神経や筋肉の働きが弱くなることで起こる斜視で、見る方向によってずれの大きさが変わるのが特徴です。
- 95%信頼区間
- 推計した値が統計的にどの範囲に収まりそうかを示す幅で、幅が狭いほど推計のぶれが小さいことを表します。
読むときの注意
このページは論文の内容を紹介するもので、研究の良し悪しを評価したものではありません。数字や結果は原文の要旨に書かれた範囲で紹介しており、個別の症状の診断や治療の判断は、診察を担当する医師にご相談ください。正確な内容は原文(PubMed/出版社ページ)でご確認ください。