斜視が心理社会的健康と生活の質(QOL)に与える影響(システマティックレビュー)
The impact of strabismus on psychosocial health and quality of life: a systematic review. Surv Ophthalmol 2021
本ページは、斜視に関する学術論文の紹介です。
Buffenn AN/Survey of ophthalmology/2021年/PMID 33773997/DOI 10.1016/j.survophthal.2021.03.005
要約

原文の要旨に書かれている範囲で、論文が述べている内容を独自の言葉でまとめたものです(原文の翻訳ではありません)。
目的
斜視が子どもと大人の心理社会的な健康(気持ちや人との関わりの面での健康)と生活の質に与える影響を検討し、あわせて斜視のある子どもの保護者が直面する課題を評価することを目的としたレビューです。
方法
単独の著者が、これまでに発表された文献を概観する形でまとめています。要旨には、文献の検索方法や対象とした研究の数は書かれていません。
結果
斜視が全体の健康に与える影響については多くの誤解があり、斜視のある人への否定的な態度が根強く、自己像(自分自身のとらえ方)の悩みにつながっていると述べています。斜視のある人は視覚系の病気と精神面の病気の両方のリスクが高いこと、子どもと大人の治療の選択肢について誤った情報が残っており、受診の機会を減らしていることも指摘しています。
結論
著者は、医療者への教育が進めば適切な紹介や治療の開始が増えうると述べ、斜視の治療は単に見た目のためだけのものではなく、複視(物が二重に見えること)の有無にかかわらず、子どもと大人の心理社会的な健康と生活の質を改善する可能性があるとの見解を示しています。
注記(この研究の限界)
単独の著者による概観で、数値をまとめて統合した解析ではありません。海外の文献を主体とした概観で、診療の体制や治療の受けやすさは日本の保険診療とは異なる場合があります。「治療は見た目だけの問題ではない」は著者の見解です。このページは、受診や手術を勧めるものではありません。
用語の説明
- 心理社会的健康
- 気持ちの安定や自己像、人との関わりや社会生活のしやすさといった面での健康のことです。
- 生活の質(QOL)
- 日常生活の満足度や過ごしやすさを、身体・心・社会生活の面から総合的にとらえた考え方です。
- 複視
- 一つの物が二重に見える症状で、両目の向きがそろわないときに起こることがあります。
読むときの注意
このページは論文の内容を紹介するもので、研究の良し悪しを評価したものではありません。数字や結果は原文の要旨に書かれた範囲で紹介しており、個別の症状の診断や治療の判断は、診察を担当する医師にご相談ください。正確な内容は原文(PubMed/出版社ページ)でご確認ください。